介護保険の現状や家族介護の問題点・介護にかかる費用を解説

2022-08-26

介護にかかる費用
介護人材の不足や、在宅介護の難しさだけでなく、金銭面の負担の大きさも介護にまつわる問題の1つです。介護期間は4〜10年程度続くことが多く、その間の費用は総額500万円程度かかるとの試算もあります。重い介護費用の対策としては、貯金だけでなく民間介護保険の活用も有効です。
本記事では日本の介護の現状や課題、介護に必要な費用と、民間介護保険の特徴を解説します。
 

■介護の現状と課題

日本では年々介護が必要な人が増える一方、介護職員の慢性的な人手不足が深刻化しています。介護が必要になる年齢や、介護の課題について確認します。
 

①早ければ60代から介護が必要になる

介護保険の受給者数は80代を境に上昇し、85歳以降は約6割が要介護認定を受けています。[注1]
また、早い人であれば60代からでも介護が必要です。
 

②現状は深刻な介護人材不足

令和2年度の介護保険の年間受給者数は約621万人です。対して、2019年度の介護職員の人数は211万人であり、慢性的な人手不足が続いています。なお、2025年度には243万人の介護職員が必要と試算されており、現状が続けば約32万人が不足すると予想されます。[注2]
 

③介護難民の増加

介護職員の深刻な不足の結果、介護を受けられない「介護難民」の増加も問題となっています。特に2025年には首都圏で13万人の介護難民が発生するとの試算もあり、施設に入所できない結果、自宅での介護が必要となるケースが増えると予想されます。
 

■家族介護の苦労や問題点

現状でも介護が必要な人の5割強が、同居の親族による「家族介護」を受けています。[注3]
家族介護では、自宅の改装など金銭面の負担があるだけでなく、長引く介護による精神的・肉体的負担が大きい点も問題視されています。
 

①介護しやすいように自宅の改装が必要

自宅での介護が始まったとき、必要になるのが自宅のバリアフリー化です。ベッドを介護がしやすいものに買い換えたり、玄関・トイレ・浴室の段差をなくしたり、自宅の構造によっては複数箇所の改装が必要です。
 

②介護の長期化による心身の負担

介護に要する期間は、4〜10年未満が全体の3割程度となり、長期化が予想されます。入浴や排泄などの介助では体力も必要になります。さらに、24時間拘束されることが多く、精神的負担が大きい点も課題です。
 

③老老介護・認認介護の恐れも

平均寿命の延伸により、65歳以上の高齢者が高齢者の介護を行う「老老介護」も増加しています。さらに、高齢化に伴い、認知症を患う人が高齢の認知症患者の介護を行う「認認介護」を行うケースもあり、これらの事態を未然に防ぐ対策も求められます。
 

■介護に必要な費用の総額

介護に必要な費用の総額
介護の問題は人材不足だけでなく、介護にかかる費用負担も挙げられます。調査によると、介護に要した一時的費用の平均は74万円、月々の費用は8.3万円と発表されています。介護が長期化すれば、それだけ費用負担は増加し、5年間介護が続く場合、500万円程度の資金が必要です。[注4]
介護を受ける人の年金や貯金のみで賄えればよいものの、例えば被介護者が老齢基礎年金のみの受給者である場合、年金だけでは月々の費用を賄うことはできせん。(令和4年度の国民年金満額は77万800円。月額では6万4816円のため約2万円不足する。)[注5]
 

■介護の費用負担は民間介護保険を活用しよう

介護にかかる費用負担を軽減する方法としては、民間の介護保険の活用も有効です。公的介護保険は現物支給(現金ではなく、介護サービスによる提供。)のみのため、金銭面の不足を補うことはできません。さらに、介護を受けるためには介護等級による認定も必要です。
しかし、民間介護保険であれば現金支給のため、介護に必要な費用負担軽減に役立ちます。また、給付方法も介護等級にするか、年齢を条件とするかなど柔軟に選択できます。一時金としてまとまった給付を受けられるタイプであれば、自宅のリフォーム費用に充てることも可能です。
 

■介護が必要になる年齢や期間・費用を把握し事前に準備しよう

介護を必要とする人が増える一方で、介護人材は慢性的に不足しています。介護施設に入居できなければ、自宅での介護が必要ですが、家族介護は肉体的・精神的負担が大きいだけでなく、金銭面の負担も重くなります。
民間介護保険は公的介護保険が対象としてない費用面の負担をカバーできるため、併用するのも効果的です。なお、民間介護保険には、公的介護保険連動型や、年齢を条件として受給できるものなど、さまざまなタイプがあります。どれが適切か迷う場合は、ぜひ当社にお問合せください。
 
[注1]公益財団法人生命保険文化センター:介護や支援が必要な人の割合はどれくらい?
[注2]厚生労働省:第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
[注3]公益財団法人生命保険文化センター:誰が介護している?
[注4]公益財団法人生命保険文化センター:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
[注5]日本年金機構:令和4年4月分からの年金額等について

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